日本キリスト教団六ツ川教会 ローズンゲン釈義黙想(2025/1/14)

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  • Опубликовано: 18 янв 2025
  • 2025年1月14日(火)
    【旧約聖書】
    貧しい人を憐れむ者は、神をあがめる。箴14:31(ド)
    【新約聖書】
    イエスはその若者に向かって言われた。「もし完全になりたいのなら、行って持ち物を売り、貧しい人々に与えなさい。そうすれば、天に宝を積むことになる。それから、私に従いなさい。マタ19:21(協)
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    「ローズンゲン釈義黙想」は、日本キリスト教団六ツ川教会の会員向けのメッセージです。
    日々、御言葉を聞くことができるように毎朝5時に更新します。
    「公開」設定にしていますので、六ツ川教会の教会員でない方も、ご関心のある方はどうぞ自由にご活用ください。
    釈義黙想の後に、呼吸と沈黙の時間があります。
    ヨガのトレーニングから学んだ呼吸法のごく基本的な方法を取り入れています。
    御言葉を聞き、呼吸と姿勢を整えて、良い一日の始まりとなりますように。
    どうぞ今日も笑顔でお過ごしください。
    使用しているテキストは『日々の聖句 Losungen2025』(ベテスダ奉仕女母の家出版部、2024年)です。全国のキリスト教書店でお求めいただくことができます。税込み1,400円です。
    *ローズンゲンで指定された場所以外は、聖書協会共同訳聖書のテキストを用いています。
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     本日与えられた新約聖書の御言葉は、金持ちの青年の物語です。この青年はイエスに向かって「永遠の命を得るには、どんな善いことをすればよいでしょうか」と尋ねます。「永遠の命」というのは、熱心なユダヤ教徒が人生の目標としていたもので、メシアによる支配、祝福に満ちた世に住むことです。そのために、律法に忠実に生き、安息日ごとに礼拝を守っているのです。イエスはその問いに対して「戒めを守りなさい」と答え、青年が「どの戒めでしょうか」と尋ねるので、イエスは「殺すな、姦淫するな、盗むな、偽証するな、父と母を敬え、また、隣人を自分のように愛しなさい」とおっしゃいます。青年は、「そういうことはみな守ってきました。まだ何か欠けているのでしょうか」と返します。そして本日の御言葉に続きます。「イエスはその若者に向かって言われた。『もし完全になりたいのなら、行って持ち物を売り、貧しい人々に与えなさい。そうすれば、天に宝を積むことになる。それから、私に従いなさい。』」
     この青年は真面目な人物であったはずです。真面目に律法を守ってきたのです。ならばなぜ、イエスに永遠の命について問い、さらに「まだ何が欠けているのでしょうか」と問うたのでしょうか。それは、この真面目過ぎる生き方で、永遠の命を得ることができるという手応えがなかったからでしょう。イエスが父母を敬う、隣人を愛すという戒めに言及されていますが、「そういうことはみな守ってきました」とあっさり言ってしまうところに、彼の「自分は正しいことをしている」という独りよがりの性格、他者と表面的な付き合いしかできないであろう性格が透けて見えます。「父母を敬え」と言われて、「はい、私は敬っています」と即答する人がいたら、その人柄を疑ってしまうはずです。自分は財産もあって正しいことをしているという考えは、裏を返せば、律法を守ることのできない人、貧しい人を低く見ることに繋がります。善いことをすれば救われる、永遠の命とは、そのような人間の尺度で測れるような単純なものではありません。だからイエスは、その考えの枠組みを捨てるように、「行って持ち物を売り、貧しい人々に与えなさい。」とおっしゃるのです。しかし、青年はそれをすることができなかったのです。独りよがりの正しさから、抜け出すことができなかったのです。
     箴言にこのように書かれています。「貧しい人を憐れむ者は、神をあがめる。」「貧しい人を憐れむ」というのは、上から目線でお情けをかけるということではありません。永遠の命とは神さまから一方的に与えられる賜物であって、どれだけ善行をしたか、どれだけの業績を持っているのか、どれだけの財産を持っているのかは関係ないということです。貧しい人を憐れむとは、そのような業績主義から解放されるように勧める言葉なのです。誰もが望む永遠の命は、その人の行いにかかわらず与えられる。そう信じることで私たちは、他者と自由で柔らかい心で接することができるのです。
    日本キリスト教団六ツ川教会牧師  桐藤 薫

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